AIで絵本画像を作った記録

『小さなランプと暗い森』の本文と、画像生成前の設計ができたあと、いよいよ絵本の画像を作る工程に入りました。

今回の絵本では、AI画像生成を使って、表紙、扉ページ、本文見開き、結びページ、裏表紙の画像を作っていきました。

ただし、AIに「絵本の絵を作って」と一言でお願いしたわけではありません。

先に決めておいた世界観、色、主人公ミトの印象、ランプの光、ページごとの流れをもとに、1枚ずつ確認しながら生成していきました。

AI画像生成は、魔法のように見えることもあります。
でも、絵本として一冊にまとめるには、魔法だけでは足りません。

大切だったのは、出てきた画像を見ながら、「この絵は本当にこの物語に合っているか」を一枚ずつ判断することでした。

まずは表紙から作る

最初に作ったのは、表紙用の画像です。

表紙は、作品を初めて見る人が一番最初に出会う場所です。

ここで伝えたかったのは、次のような印象でした。

暗い森。
小さなランプ。
ひとりで立つ主人公。
怖さと静けさ。
でも、完全な絶望ではないこと。

『小さなランプと暗い森』というタイトルに合うように、森は暗めにしました。

ただし、暗すぎて何も見えない絵にはしない。
ランプの光が、ミトの足元と周囲をほんのり照らしている。

このバランスを大事にしました。

表紙は、絵本全体の入口です。

ここで「怖そうな本」ではなく、「暗いけれど、やさしい光がある本」だと伝わることを目指しました。

主人公ミトの印象をそろえる難しさ

AIで絵本画像を作る時に難しかったのは、主人公の印象をそろえることです。

1枚のイラストとして良いものが出ても、別のページでは顔つきや年齢、服装、雰囲気が変わって見えることがあります。

絵本では、ページをめくるたびに主人公が別人に見えてしまうと、読者が物語に入りにくくなります。

そのため、ミトについては、毎回同じような印象になるように意識しました。

小さな子ども。
やわらかい雰囲気。
少し不安そう。
でも、ランプを持って前に進もうとしている。

この軸を持ちながら、各ページの画像を確認しました。

完全に同じ顔にすることは難しくても、同じ物語の中にいる子に見えるかどうか。

そこを基準に選んでいきました。

ランプの光を強くしすぎない

この絵本で、ランプはとても大事な存在です。

でも、ランプの光は強くしすぎないようにしました。

もし光が強すぎると、森全体を照らしてしまいます。

それでは、この絵本で描きたい「次の一歩だけを照らす光」から少し離れてしまいます。

この作品に必要なのは、すべてを解決してくれる大きな光ではなく、足元に残る小さな灯りでした。

だから、画像を見る時も、ランプの光がどのくらい広がっているかを確認しました。

ミトの手元から、少しだけ前方へ。
足元と周囲が、ほんのり見えるくらい。
森はまだ暗いまま。
でも、一歩進むための光はある。

この感じを大切にしました。

本文見開きは、1枚ずつではなく「流れ」で見る

本文画像は、見開きごとに作っていきました。

1枚ずつ見るときれいでも、絵本として並べた時に流れが弱いことがあります。

そこで、画像を選ぶ時には、単体の完成度だけではなく、前後のページとのつながりも見ました。

最初は、暗い森の中で立ち止まる。
次に、小さなランプの光に気づく。
その光で、足元が少し見える。
少しずつ進む。
森の奥で迷う。
それでも、光を頼りに進む。
最後には、森の向こうに少し明るさを感じる。

この気持ちの流れが見えるように、画像を並べて確認しました。

絵本では、一枚の絵が美しいだけではなく、ページをめくった時に気持ちが動くことが大切です。

今回は、見開きの連続でミトの心が少しずつ変わっていくように意識しました。

暗い森の色味をそろえる

『小さなランプと暗い森』では、深い青、青紫、夜の森の暗さを中心にしています。

AI画像生成では、同じように指示しても、ページによって明るさや色味が変わることがあります。

ある画像は少し朝焼けに近くなったり、ある画像は森より空が明るくなりすぎたりすることもあります。

そのため、画像を選ぶ時には、色味の統一も確認しました。

暗い森らしさがあるか。
青紫の世界観が残っているか。
ランプのあたたかい光が浮かび上がっているか。
明るくなりすぎて、物語の静けさが消えていないか。

このあたりを見ながら調整しました。

暗いけれど、怖すぎない。
静かだけれど、冷たすぎない。
夜の森だけれど、どこかにやさしさがある。

この色の方向性を、最後まで大切にしました。

文字を入れる場所も考えながら選ぶ

KDPの絵本では、画像の上に本文を入れる必要があります。

そのため、画像を選ぶ時には、絵だけでなく、文字を置けるかどうかも確認しました。

絵としてはとても良くても、画面全体に重要な要素が多すぎると、本文を置く場所がなくなります。

逆に、余白がある画像は、あとから文字を入れやすくなります。

今回の画像では、次のような点を意識しました。

文字が暗い背景に沈まないか。
大事な人物やランプに文字が重ならないか。
半透明の文字敷きを置いた時に不自然にならないか。
見開きで読んだ時、文字の位置がばらばらになりすぎないか。

絵として美しいことと、本として読みやすいことは、少し違います。

この工程では、絵の魅力を残しながら、読める絵本にするための画像を選んでいきました。

扉ページと結びページは、静かな役割

表紙や本文見開きだけでなく、扉ページと結びページも作りました。

扉ページは、物語の入口です。

表紙を開いて、すぐに本文へ飛び込むのではなく、読者が少し気持ちを整える場所として考えました。

静かで、やわらかく、これから物語が始まる気配がある画像。

一方、結びページは、物語が終わったあとに余韻を残す場所です。

そこで大切にしたのは、「終わった」というより、「この先も歩いていける」という感覚でした。

森の中で見つけた小さな光が、読んだあとにも少し残るように。

扉ページと結びページは派手ではありませんが、絵本全体の呼吸を整える大事な場所になりました。

裏表紙は、説明と余韻の両方を考える

裏表紙も、AIで画像を作りながら調整しました。

裏表紙は、ただ背景画像があれば良いわけではありません。

紹介文を入れる場所。
書誌情報を入れる場所。
バーコードが入る場所。
本を手に取った人が内容を理解する場所。

そうした実務的な役割があります。

一方で、裏表紙は、読み終えたあとに最後に見る場所でもあります。

そのため、表紙ほど強く目立たせるのではなく、物語の余韻が残るような雰囲気を目指しました。

静かな森。
小さな光。
読み終えたあとに、少しだけ心が落ち着くような空気。

裏表紙では、絵本としての余韻と、KDP本として必要な情報の両方を意識しました。

生成した画像を、何度も見直す

AIで画像を作る工程では、すぐに採用できる画像もあれば、あとから見直して変えたくなる画像もありました。

生成直後は「良い」と思っても、全体に並べてみると少し浮いて見えることがあります。

また、単体では地味に見えた画像が、前後の流れの中では自然に感じることもあります。

そのため、画像は何度も見直しました。

表紙として強いか。
本文の流れに合っているか。
ミトの印象が変わりすぎていないか。
ランプの光が作品テーマに合っているか。
文字を入れた時に読みにくくならないか。
全体を通して、ひとつの絵本に見えるか。

この確認をしながら、採用する画像を決めていきました。

AI画像生成は、出力して終わりではありません。

選ぶこと、並べること、削ること、整えることまで含めて、絵本づくりなのだと感じました。

AIを使っても、最後は本として見る

今回、AI画像生成を使ったことで、自分ひとりでは描けなかった絵本の世界を形にできました。

暗い森。
小さなランプ。
ミトの不安と一歩。
青紫の夜。
あたたかい灯り。

そうした要素を、1冊分の画像としてそろえていくことができました。

ただし、AIを使ったからといって、すべてが自動で完成するわけではありません。

どの画像を使うか。
どの画像をやめるか。
どの順番で並べるか。
どこに文字を置くか。
本として読んだ時に、ちゃんと気持ちが流れるか。

そこは、人間側で確認する必要があります。

AIは絵を出してくれます。
でも、その絵を本にするのは、人間の判断です。

この工程を通して、AIは絵本制作の強い相棒になるけれど、最後に必要なのは「本として読む目」なのだと感じました。

画像がそろって、絵本の世界が見えてきた

表紙、扉ページ、本文見開き、結びページ、裏表紙。

それぞれの画像がそろったことで、『小さなランプと暗い森』は、ようやく絵本としての姿が見えてきました。

本文だけの時には、まだ頭の中にあった物語。

画像がそろうことで、暗い森の空気や、ランプの光、ミトの小さな一歩が、目に見える形になっていきました。

このあと、生成した画像に本文を入れ、読み聞かせやすさや文字の見やすさを確認しながら、KDP用の絵本として整えていきます。

現在は、KDPペーパーバックの校正刷り到着待ちです。

実物が届いたら、画像の色味、文字の読みやすさ、見開きの流れ、表紙と裏表紙の印象を確認していく予定です。

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